外国為替(FX)市場は、世界最大の流動性を誇り、日々様々な要因によって価格が変動します。
価格変動の大きさを示すボラティリティは、FXトレーダーにとって重要な目安の一つです。
この記事では、FXのボラティリティとは何か、ボラティリティの影響を受ける時間帯などを紹介します。
FXのボラティリティとは
FXのボラティリティとは、通貨ペアの価格変動の幅や速度のことを指します。
つまり、相場がどのくらい急激に変動しているかという指標です。
ボラティリティが高いということは、価格変動が激しく、短期間で大きな値幅を繰り返すことを意味します。
一方、ボラティリティが低い場合は、価格変動が穏やかで、値幅が小さいことを示します。
FX取引では、ボラティリティが高い通貨ペアはリスクが高いと考えられており、
値動きが予測しにくいため、利益を狙うトレーダーにとってはチャンスとなる一方で、損失を被る可能性も高まります。
一方、ボラティリティが低い通貨ペアは、リスクは比較的低く、利益も少ないものの比較的安定した値動きが見込めるため、保守的なトレーダーに向いています。
ボラティリティの高い通貨ペアと低い通貨ペア
ボラティリティの高い通貨ペア
ポンド/円 (GBP/JPY)
GBP/JPYは、非常にボラティリティが高く、経済指標の発表が多く、ヘッジファンドの影響が大きい通貨ペアです。
為替差益による大きな利益が狙えることから、投資家に人気の通貨です。
トルコリラ円(TRY/JPY)
TRY/JPYは、高いボラティリティ、政治的リスクが高い、金利差が大きい、スワップポイントが高いなどの特徴があります。
また、トルコの経済や政治情勢に敏感な通貨ペアでもあります。
メキシコペソ円(MXN/JPY)
MXN/JPYは、非常にボラティリティが高く、原油価格の変動に敏感な通貨ペアです。
また、メキシコの経済指標や米国との関係、政治情勢にも影響を受けることがあります。
高いスワップポイントも魅力の1つです。
ボラティリティの低い通貨ペア
米ドル/円(USD/JPY)
USD/JPYは、世界有数の高い取引量を誇ります。
低いスプレッドや流動性が高く、安定した動きを示すことが多いため、初心者にも扱いやすいとされています。
また、米国と日本の経済指標に敏感で、両国の金融政策や地政学的リスクにも影響を受けることがあります。
ユーロ/円(EUR/JPY)
EUR/JPYは、ボラティリティが低く突発的な値動きも比較的少ない傾向にあります。
経済指標に敏感で、欧州連合の政治情勢にも影響を受けることがあります。
また、スワップポイントも魅力的なため、長期的なポジションを持つ投資家にも人気があります。
ボラティリティが大きくなりやすい時間帯
ロンドン市場とニューヨーク市場のオーバーラップ(午後9時から翌2時までの時間帯)
両市場が同時に稼働する時間帯で、市場参加者が最も多くなる時間帯です。
そのため、価格変動が大きくなり、ボラティリティが高まる傾向があります。
ニューヨーク市場の開始時刻(午後9時頃)
ニューヨーク市場が開始する時間帯は、市場参加者が急増するため、価格変動が大きくなり、ボラティリティが高まる傾向があります。
経済指標の発表時刻
重要な経済指標(雇用統計、GDP、消費者物価指数など)が発表されると、市場参加者の注目度が高まり、価格変動が大きくなり、ボラティリティが高まる傾向があります。
経済指標の発表時刻は各国によって異なりますが、日本時間で夜間に発表されることが多いです。
ボラティリティが比較的小さい時間帯
東京市場の午後
東京市場の午前中が終了し、ロンドン市場が始まるまでの時間帯(午後0時から午後4時までの時間帯)は、市場参加者の数が比較的少なくなります。
そのため、価格変動が小さくなり、ボラティリティが低下する傾向があります。
まとめ
FXのボラティリティは、常に変わることがあるため最新の情報を入手し、リスク管理を行いながら慎重に取引を行うことが重要です。
また、ボラティリティが高まる時にはリスクが高くなるため、注意が必要です。
一方、ボラティリティが低下する時には利益が出しにくくなるため、取引を控えることも検討しても良いでしょう。
取引のタイミングや市場参加者の心理的要因にも注意し、ボラティリティを利用した取引戦略を慎重に構築することが重要です。
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