FX取引では、現在の価格で新規注文や決済注文をするだけでなく、あらかじめ顧客が指定した価格で自動的に新規注文や決済注文を実行するための設定をすることができます。
チャートを見ることができない時間帯でも、あらかじめ設定しておけば、望んでいるレートに到達した時に自動的に新規注文や決済注文が実行されます。
注文方法は大きく分けて「指値注文」と「逆指値注文」の2つがありますので、さっそく見ていきましょう。
「指値注文」とは
「指値注文」とは、将来の特定の価格に達した場合に注文が自動的に実行される注文のことです。
例えば、現在のレートが1ドル=130円の場合、米ドル/円が125円になったら自動的に買い注文を行うように指定することができます。
同様に、現在のレートが1ドル=130円の場合、米ドル/円が135円になったら自動的に売り注文を行うように指定することもできます。
「逆指値注文」とは
「逆指値注文」とは、指値注文の逆で、将来の特定の価格に到達した場合に注文が自動的に実行される注文のことです。
例えば、現在のレートが1ドル=130円の場合、米ドル/円が135円になったら自動的に買い注文を行うように指定することができます。
これは、価格がある特定のラインを突破することによって、価格変動の勢いが増すことがあるため、そのラインを超えた後の勢いに乗ることを目的としています。
指値注文と逆指値注文は、自動的に注文を実行するため、投資家は市場の変動を常に監視する必要がありません。
また、市場が投資家の予測通りに動いた場合、有利な価格で取引をすることができます。
指値注文と逆指値注文は、予約注文の基本的な種類であり、為替取引や株式においてよく使われます。
「逆指値注文」の活用方法について、より具体的に2つの方法を紹介します。
【活用方法1】上昇・下降トレンドに乗る
米ドル/円のレートが下がり続ける「下降トレンド」、逆に上昇し続ける「上昇トレンド」という状況があります。
逆指値注文は、これらのトレンドに乗るための注文機能とも言えます。
上昇トレンドまたは下降トレンドが始まりそうだと思われる価格で逆指値注文を設定することで、大きな利益を狙うことができるでしょう。
逆指値注文を使って、上昇トレンドに入ったら新規買い注文を入れ、反対に下降トレンドに入ったら新規売り注文を入れることができます。
【活用方法2】損失の拡大を防ぐ
既に米ドル/円の買いポジションを持っている場合、逆指値注文を「決済注文」としても活用できます。
たとえば、含み益が出ている状態だとすると、利益確定するか、もう少し様子を見るかを選択できます。
しかし、急激な相場変動によって含み益が消えたり、大きな含み損になってしまったりする危険性があります。
逆指値注文を使用して、含み益を確保したいレートや許容できる損失の限界となるレートを指定し、その価格を超えたら取引を終了させることで、含み益を確保したり損失を限定することができます。
これにより、投資家はリスクを最小限に抑えることができます。
【利益確定の場合】
1万ドル分の米ドル/円の買いポジションを、約定価格130円で持っているとします。
現在、米ドル/円は140円まで上昇しており、1ドルあたり10円分の含み益が発生しています。
この状況で、米ドル/円が下落しても、最低5万円の利益を確保したいと考えた場合、135円に逆指値の決済注文を設定することで、135円まで下落したときに自動的にポジションが決済されます。
このようにすることで、米ドル/円が値下がりしても5万円は利益確保できます。
【損切りの場合】
1万ドル分の米ドル/円の買いポジションを、約定価格130円で持っているとします。
現在、米ドル/円は125円まで下落しており、1ドルあたり5円分の含み損が発生しています。
この状況で、10万円を上回る損失は回避したいと考えた場合、120円に逆指値の決済注文を設定することで、さらに値下がりしても10万円を上回る損失は回避できます。
ただし、スリッページの発生によっては指定レートを超える場合があることに注意してください。
FXの指値と逆指値におけるメリットとデメリット
FX取引において指値と逆指値は、注文の種類の一つであり、以下にメリットとデメリットを説明します。
【指値のメリット】
・希望するレートで注文が成立するため、損失を最小限に抑えられる
・注文が成立しない場合は、ポジションが立ち消えになるため、リスクを抑えられる
・チャートやテクニカル指標を活用したトレードに適している
【指値のデメリット】
・指定したレートに到達しない場合、約定しないため機会損失が発生する可能性がある
・相場が急変した場合には、指定したレートに到達せずにポジションが成立してしまう可能性がある
【逆指値のメリット】
・指定したレートに達すると自動的に注文が成立するため、損失を最小限に抑えられる
・相場が急変した場合でも、指定したレートでポジションが成立するため、損失を最小限に抑えられる
【逆指値のデメリット】
・指定したレートを下回らない場合、注文が成立しないため、機会損失が発生する可能性がある
・指定したレートに到達してから相場が急変した場合には、指定したレートよりも損失が大きくなる可能性がある
まとめ
指値と逆指値は、トレーダーの取引スタイルや相場の状況に応じて使い分けることが重要です。
指値注文は、価格が指定された水準に達するまでポジションを取りたくないトレーダーにとって有用であり、逆指値注文は、ポジションを守りつつ、利益を最大化するために使用されます。
これらを踏まえて、今後のトレードに利用しましょう。
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