予約注文は、投資家が市場の変動に対応しやすく、自動的に注文が実行されるため、利益確定や損失限定の戦略を実現するために活用されることがあります。
しかし、予約注文は市場の状況や条件によっては実行されないこともありますので、注意が必要です。
また、FX取引においてはリスク管理を十分に考慮して取引を行うことが大切です。
FXの予約注文とは
FX取引における予約注文とは、あらかじめ設定しておいた条件に達した際に自動的に取引が行われる注文のことです。
即時注文、指値注文、逆指値注文、IFD注文、OCO注文、IFO注文、トレール注文、等があります。
それぞれの特長を解説します。
即時注文とは
即時注文とは、リアルタイムで表示されているレートをクリックして、希望のタイミングで注文を入れる方法です。
市場の価格変動が激しい場合や投資家が素早く取引を実行したい場合に特に便利です。
即時注文では、時にはスリッページが発生し、注文時のレートと実際の約定レートが異なることがあります。
注文時にスリッページの許容範囲を設定することができます。
指値注文とは
指値注文とは、現在の市場レートよりも有利な価格で注文を出す取引方法です。
買い注文の場合は、現在の市場レートよりも低い価格を指定し、売り注文の場合は現在の市場レートよりも高い価格を指定して注文を出します。
例えば、現在のUSD/JPYの市場価格が130円であり、125円での買い注文をしたい場合、指値注文を使用します。
この場合、125円の価格を指定して注文を出し、市場価格が125円に達した際に自動的に注文が成立します。
逆に、指定した価格に達しない場合は注文は成立しません。
指値注文は、投資家が自分で取引の条件を設定できる利点がありますが、市場価格が指定した価格に達しない場合に取引が成立しないリスクがあるため、注意が必要です。
また、指値注文の有効期限を設定することもできるため、期限切れに注意して利用する必要があります。
逆指値注文とは
逆指値注文とは、現在の市場レートよりも不利な価格で注文を出す取引方法です。
買い注文の場合は、現在の市場レートよりも高い価格を指定し、売り注文の場合は現在の市場レートよりも低い価格を指定して注文を出します。
例えば、現在のUSD/JPYの市場価格が130円であり、135円での買い注文をしたい場合、逆指値注文を使用します。
この場合、135円の価格を指定して注文を出し、市場価格が135円に達した際に自動的に注文が成立します。
逆に、指定した価格に達しない場合は注文は成立しません。
逆指値注文は、投資家が自分で取引の条件を設定できる利点がありますが、市場価格が指定した価格に達しない場合に取引が成立しないリスクがあるため、注意が必要です。
また、逆指値注文の有効期限を設定することもできるため、期限切れに注意して利用する必要があります。
IFD注文とは
IFD(イフダン)注文とは、”If Done” の略であり、日本語では「もし〜ならば、実行せよ」という意味を持ちます。
IFD注文は、新規注文と決済注文(指値または逆指値注文)を同時に発注する注文方法です。
新規注文が成立すると決済注文が有効。
例えば、現在のUSD/JPYの市場価格が130円であり、投資家がこの通貨ペアを買いたい場合に、IFD注文を使用すると、以下のような注文を同時に出すことができます。
新規注文:市場価格が125円に到達したら、買い注文を出す。
決済注文:新規注文が確定したら売り注文を135円で出す。
この場合、市場価格が125円に到達した場合に、自動的に買い注文が実行されます。
ただし、初めに設定する新規注文が約定しなければ、決済注文は発注されません。
OCO注文とは
OCO注文とは、”One Cancels the Other” の略であり、日本語では「片方が成立すれば他方をキャンセルする」という意味を持ちます。
OCO注文は、異なる2つの注文を同時に発注し、一方の注文が約定したら、もう一方の注文は取消される注文方法です。
新規注文・決済注文のいずれの場合でも利用が可能。
例えば、現在のUSD/JPYの市場価格が130円であり、投資家がこの通貨ペアを新規注文でOCO注文を使用すると、以下のような注文を同時に出すことができます。
OCO注文1:買い注文を125円で出す。
OCO注文2:売り注文を135円で出す。
この場合、市場価格が125円に到達すると、自動的に125円の買い注文が発動され、同時に135円の売り注文がキャンセルされます。
逆に、市場価格が135円に到達し、売り注文が成立すると、自動的に125円の買い注文がキャンセルされます。
IFO注文とは
IFO注文とは、If-Order (IFO) 注文の略で、複数の注文を条件付きで連動させることができる注文の一種です。
IFO注文は、新規注文と決済注文(指値および逆指値注文)を発注する注文で、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。
例えば、投資家が米ドル/円の取引を考えているとします。
現在の市場価格が130円であり、投資家が以下のようなIFO注文を出したい場合に利用することができます。
メイン注文:買い注文を125円で出す。
IFO注文1:指値注文(売り注文)を130円で出す・・・利益確定
IFO注文2:逆指値注文(売り注文)を120円で出す・・・損切り
この場合、IFO注文1とIFO注文2はメイン注文が成立した場合にのみ発動。
IFO注文をあらかじめ設定しておけば、新規注文と利益確定注文、損切り注文の3つを同じタイミングで発注することができます。
仮に利益確定の注文が約定すると、損切り注文がキャンセルされ、損切り注文が約定すると、利益確定の注文がキャンセルされます。
まとめ
FX取引では、便利な注文方法がいくつかあり、それぞれの特徴やメリットを理解して上手に使い分けることで、トレードを快適に行うことができます。
あらかじめ設定しておけば、相場を常に監視しなくても、利益確定やストップロスの調整が自動的に行われます。
さらに、注文の変更や取り消しはスマートフォンを使って自由に行うことができます。
自分が考えたシナリオに合わせて注文方法を使い分け、モバイルトレードも活用すれば、投資の成果を向上させることができるでしょう。
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