テクニカル分析とダウ理論

テクニカル分析

テクニカル分析について

テクニカル分析とは、過去のチャートの値動きから、将来の値動きを予想する分析方法です。

FXの取引をするにおいて、現状の相場状況(例えば、上昇傾向なのか下降傾向なのか、あるいはレンジ相場なのか)を把握しなければなりません。

FXのチャートを分析することによって、買い頃なのか、それとも売り頃なのか、ある程度は判断することができますので、それをもとに将来の相場の動きを予測するのが、テクニカル分析です。

FXの相場の分析方法には、テクニカル分析の他に「ファンダメンタルズ分析」があります。

ファンダメンタルズ分析とは、各国の「経済指標、金融政策、要人発言」といった政治や経済動向などから相場を分析する方法です。

ちなみに僕の場合、普段はテクニカル分析のみでしかトレードをしていません。

僕は、スキャルピング(短期トレード)をメインでFXのトレードをしていますので、仮にファンダメンタルズ要素によって影響を受けたとしても、損切りをしっかり設定していれば、それはトレードのひとつとして捉えています。

だから普段は、テクニカル分析のみでも十分に利益を出すことができると考えています。

ただし、全くファンダメンタルズ要素を取り入れないわけではなくて、例えば、アメリカの雇用統計の日(その月の第一金曜日)はトレードを控えるなど、最低限のファンダメンタルズ要素は取り入れています。

 

ダウ理論

ダウ理論とは、米国の証券アナリストであるチャールズ・ダウ氏が提唱した相場理論のことです。

ダウ理論は発案されてから、かなりの年月が経っていますが、現在でもどのような市場においても通用することが確認されていて、テクニカル分析の基本であると言われています。

ダウ理論の本質は、相場には「トレンド」というものが存在しており、

トレンドの定義として、高値と安値がそれぞれ切りあがっているのを「上昇トレンド」高値と安値がそれぞれ切り下がっているのを「下降トレンド」と定義されます。

 

ダウ理論の6つの基本原則

①価格(平均株価)は全ての事象を織り込む

FXでは、経済指標や政治動向によるファンダメンタルズ要素によって、価格(レート)が動く場合がありますが、これら全て値動きを示したチャートに織り込まれているということです。

つまり、将来の値動きを予測するには、チャートを見て参考にすればいいということです。

②トレンドには3つの種類がある

ダウ理論では、1年から長い場合は数年続くトレンドを「主要トレンド(長期トレンド)」、数週間から数か月以上続くトレンドを「二次トレンド(中期トレンド)」、数時間から数週間以上続くトレンドを「小トレンド(短期トレード)」の3つに分類されます。

相場では、まず主要トレンド(長期トレンド)があって、その調整局面として逆方向に動くのが二次トレンドで、さらに全期間で発生するのが小トレンドになります。

③主要なトレンドには3つの段階がある

主要なトレンドというのは、先ほどの個々のトレンドのことを言い、先行期、追随期、利食い期の3段階に分けることができます。

先行期・・・トレンドが始まろうとしている時期、緩やかな上昇

追随期・・・トレンドに乗っている時期、はっきりとした上昇

利食い期・・・トレンドが終わろうとしている時期、急落の可能性有り

以上のように区分けされます。

④指標(平均価格)は相互に確認されなければならない

株式市場では、複数の銘柄で同じトレンドを確認して、より精度の高い分析ができるということですが、FXでいうなら、相関関係のある通貨ペア等(例えば、米ドルとユーロ)を確認するのが重要だということです。

⑤トレンドは出来高でも確認することができる

株式市場では、トレンドが強くなると取引の出来高も多くなり、逆行トレンドが生じると取引高は減少します。

ただ、FXにおいては、市場全体の出来高を正確に確認することが難しいため、あまり当てはまらないと言われています。

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論では、発生したトレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続すると考えます。

つまり、上昇トレンド(高値と安値がそれぞれ切り上げ)において、高値を更新せずに安値を更新した場合や、下降トレンド(高値と安値がそれぞれ切り下げ)において、安値を更新せずに高値を更新した場合は、トレンドの転換シグナルと見なされます。

トレンド転換を利用したトレード手法

 

水平線

テクニカル分析で、今の相場状況を把握する手法として、多くのトレーダーが行なっているのが「水平線」を引く手法です。

水平線とは、ローソク足の高値や安値を水平に結んでできた線のことです。

水平線に関しては、絶対的に「これが正解」というのがあるわけではなく、あくまで「多くのトレーダーが意識するであろうと思われる場所」に引いています。

ただ、水平線が機能することにより、エントリーポイントや決済ポイントに使えるので、FXのトレードにおいては、非常に重要であると言えるでしょう。

 

レジスタンスラインとサポートライン

水平線は、機能のしかたによって名前があり、一つはレジスタンスライン、もう一つはサポートラインと呼んでいます。

レジスタンスラインは、「上値抵抗線」とも呼ばれ、レートが上昇したときに値動きが跳ね返されるラインです。

そして、サポートラインは、「下値支持線」とも呼ばれ、レートが下降したときに値動きが跳ね返されるラインです。

レートがサポートラインやレジスタンスラインに達すると、基本的に反発しますが、その状態がいつまでも続くわけではなく、どこかのタイミングでブレイクするときがあります。

ブレイクした後は、ラインの持つ機能がそれまでのものと逆転するのが水平線の特徴。

それまでサポートラインだったのが、ブレイクすることにより、今度はレジスタンスラインとして機能します。

また逆に、それまでレジスタンスラインだったのが、ブレイクすることにより、今度はサポートラインとして機能します。

これを「サポレジ(レジサポ)転換」と呼んでいます。

このサポレジ(レジサポ)転換を利用して、エントリーしたり決済したりするトレーダーも少なくありません。

 

水平線の引き方

水平線の引き方に関しては、各トレーダーによって引き方は様々です。

先ほど話したように、「これが正解」というのがあるわけではないので、多くのトレーダーが「ここが意識される」という考えのもとで、各自で引いています。

ですから、あくまで「多くのトレーダーが意識してそうな場所」、言い換えれば「注文を入れていそうな場所」を見つけて引くのがベストと考えるのが良いでしょう。

僕の場合、以前は多くの水平線を引いていましたが、決済ポイントを設定するときに、むやみに意識するケースが多くなってきたので、今では各時間帯でだいたい2本ぐらいにしています。

水平線を利用したトレード手法

 

目線の概念

FXのトレードで大切なのは、上目線なのか下目線なのか、目線(相場の方向性)がどちらを向いているのかです。

特に、FX初心者の方にとって悩むことが多いのが、相場において「買い」を狙ったら良いのか、「売り」を狙ったら良いのかが分からないときではないでしょうか。

トレンドが続いている場合は、エントリーしやすいのですが、実際は方向感が定まらない場合が多いので、下位足(5分足や1分足)だけを見てトレードをしてしまうと、失敗するケースが多いです。

そのため、必ず上位足(日足、4時間足、1時間足)がどちらの方向を向いているのかを確認してから、下位足でトレードを行なったほうが良いでしょう。

 

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